反対理由は特権維持
憲法改正問題
大統領府は、好調なフィリピン経済を理由に、憲法の経済関連条項を改正する必要性はないとする立場を変えない。雇用創出につながる外国投資が流入するか否か分からないのに、改正する必要がどこにあるのかと。
大統領府の主張は、間違った前提に立っている。恐らく、2012年第1四半期の国内総生産(GDP)成長率が6・4%を記録し、隣国と比較しても相当高い数字だったことに起因するようだ。実は、何四半期も低成長が続いた後だから、自慢にもならない。
第2四半期も高い成長率を維持したとみられるものの、フィリピン経済には逆風が吹き始めている。今年下半期の数字が6%を割り込んだとしても驚かない。
6%成長を維持すれば、アキノ現政権が任期を終えるまでの残り4年間で、貧困状況はある程度改善するだろう。しかし、常識的には、フィリピンのような貧しい国では、貧困統計の改善を本当に実現するためには、最低でも7年間、7%成長を維持する必要がある。中国が貧困削減に成功した鍵はそこにある。
中国経済が奇跡的成長を遂げた理由は、外国資本の大量流入だ。