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7月30日のまにら新聞から

治安改善を急げ

[ 707字|2012.7.30|社会 (society)|新聞論調 ]

窃盗被害増加

 国家捜査局本部と首都圏警察マニラ市本部の近くにあるタフト通り沿いに「引ったくりに気をつけてください。特にオートバイは要注意です」という掲示板がある。

 警告は結構だが、もっと市民の安全確保に取り組んでもらいたい。この地域では、その要望が強いからだ。先週の報道によると、観光客が多数訪れるマニラ市エルミタ地区では過去数カ月間、1日に1人の割合で観光客が窃盗や強盗被害に遭っている。別の報道では、マニラ市の犯罪発生件数は年初来、昨年同期比で、64%近く急増した。

 観光客を保護するはずの「ツーリストポリス」は、いったい何をしているのか。ツーリストポリスは、2010年にマニラ市のリサール公園で起きたバス乗っ取り事件を機にできたはずだ。それなのに、成果が見えない。

 首都圏警察マニラ市本部には先週、2日間だけでチェコ人、オーストラリア人、ロシア人、アイルランド人各1人から窃盗や強盗の被害届が出た。全員がエルミタ地区で被害に遭っている。

 世界には、絶対に安全と言える場所はない。しかし、旅行者にとって安全は重要だ。施政方針演説でアキノ大統領は、10年から観光客が増加していると語った。大統領は、観光客が強盗や窃盗に遭えば「フィリピンで楽しもう」という観光標語が傷つくことに留意してほしい。

 ことは、観光客に限った話ではない。首都圏では、フィリピン人も、外国人駐在員も、かばんや携帯電話、腕時計など、すべての身の回り品を常に、しっかりつかんで離さないようにしなければならない。観光省の元局長が4人組に射殺された最近の事件をみると、観光客や一般市民の安全確保は、まさに緊急の課題である。(25日・スター)

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