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6月11日のまにら新聞から

ハロハロ

[ 639字|2012.6.11|社会 (society)|ハロハロ ]

 石油価格高騰の3月、紙面上でノイノイイングという言葉を見て思わず笑ってしまった。意味は「大統領のように怠慢」。無策で、実行力不足とアキノ大統領をからかった表現だそうだ。2010年6月、就任演説で大統領は汚職撲滅を訴え、まず「ワラン・ワンワン」(緊急サイレン不正使用禁止)と権力乱用を戒めた。すると大物どもの車からあっという間にサイレンの音が消えた。ツルの一声の即効に驚いた。

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 あれから2年。大統領が代わって何が変わったか。「汚職なければ貧困なし」というスローガンにもかかわらず、汚職は相変わらずはびこり、空腹を訴える数も減らない。失業率に改善はみられず、政治的殺人は依然野放し。官民連携(PPP)事業への投資もはかばかしくない。ノイノイイングには、こうした状況への民衆のいらだちが込められているようだ。

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 上院の弾劾法廷は大差で最高裁長官の追放を決定した。アロヨ前大統領が退任直前、ルールを侵して指名、それに乗ってポストを獲得した人物だ。昨年11月、監視下にあった前大統領の国外退去を露骨に手助けするような最高裁決定を出し、司法の偏向を印象づけた。法外な預金隠しが弾劾決定の理由だが、「(こんな人物に)司法のトップを任せておけない」という陪審員の見識が心証形成に働いたようにみえる。弾劾成立を受け、司法などで透明性を高めようとする動きも出ており、「ワラン・ワンワン」以来の、改革路線への追い風になりそうだ。(紀)            

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