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4月2日のまにら新聞から

責任者の処罰を

[ 736字|2012.4.2|社会 (society)|新聞論調 ]

ミ地方電力不足

 アキノ大統領は最近、ミンダナオ地方の電力問題は政府の無策が招いたと素直に認めた。また、同地方で最大級の水力発電所の整備事業だけでも、2年以上かかるとの見通しを明らかにし、解決に時間がかかることも認めた。正直な大統領だと言わざるを得ない。

  アキノ政権は短期的な解決策として発電バージ施設をミンダナオに移転させることを検討しているが、石油を燃料とするため費用がかさむ懸念がある。しかし、長時間の停電でダメージを受けているミンダナオの産業界、特に農業関係者の苦境を少しでも緩和するためには、必要な措置だ。バナナやマンゴーなどの農園では散水するだけでも電力が必要で、停電で大きな影響が出ているのだ。農園労働者だけでなく、比産フルーツの輸出業者も当然、影響を受けるわけで、輸出の落ち込みを招けば、さらに多くの国民が苦境に陥ることになる。

 フィリピンの電力供給が非常に不安定であり、しかも電気料金がアジアで最も高い水準にあるのは、もちろんアキノ政権の責任だけではない。以前の歴代政権が十分な電力供給体制を築く努力を怠ってきたことに起因する。最も費用が安く済むといわれる、石炭燃料による火力発電所の建設期間についても、操業開始までに最低2年かかるという。しかし、それでも何か対策を立てないといけない。大統領とエネルギー長官の約束を信じ、早く結果を出してもらいたい。

 しかし、これまでミンダナオ地方の電力問題に対策を講じてこなかった政府の責任者を罰することも大切だ。アキノ政権はアロヨ前大統領やその取り巻き官僚らの訴追に集中しているが、電力問題に対する責任者処罰もしっかりやるべきだ。聖週間に人々が悔い改めるように、政府高官にも悔い改めさせるのだ。(3月28日・タイムズ)

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