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11月21日のまにら新聞から

苦戦に失望と不満

[ 749字|2011.11.21|社会 (society)|新聞論調 ]

パッキャオ─マルケス戦

 世界ボクシング機構(WBO)世界ウエルター級タイトルマッチで、パッキャオ選手がマルケス選手(メキシコ)を下して3度目の防衛を果たした。ジャッジ3人による際どい判定結果は、「どちらが強いのか」という問いにノックアウトで答えを出そうとしたパッキャオ選手に失望を、善戦したマルケス選手にはフラストレーションを残した。

 パッキャオ苦戦を象徴するかのように、判定結果がアナウンスされた試合会場ではブーイングが沸き起こった。リングを去るパッキャオ選手の表情も勝者のものとは言いがたく、「私が勝ったのは明白。それがボクシング」と冷めたコメントを口にするのが精いっぱいだった。

 また、世界各国のスポーツライターの多くはインターネットのブログなどで、判定結果に異を唱え、マルケス選手が優勢だったと指摘。英国のBBC放送はパッキャオ選手を「ジャッジ2人に救われた男」と表現し、「パッキャオといえども打倒可能と思わせる姿を初めて見せた」との書き込みもあった。

 微妙な判定結果をめぐっては、比国内のボクシングファンの意見も二分された。実際、テレビ観戦した人の多くは、判定結果が出る前に「パッキャオ敗戦」を確信し、12ラウンド終了と同時にテレビの前を立ち去った。「圧倒的な勝利」に慣らされてきた分だけ、落胆も大きかったようだ。

 「限界説」も浮上する中、今回の苦戦をパッキャオ選手自身はどのように考え、今後に生かすのか。ある下院議員が「パッキャオ選手は今後5年間、ボクシングに専念すべき。なぜなら彼の地位、金、可能性はすべてボクシングによっているから」と言うように、俳優、バンドリーダー、歌手などをこなす多忙な生活をあらためる時期が来ているのではなかろうか。(16日・インクワイアラー、アマンド・ドロニラ氏)

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