今こそ和平達成を
MILF和平交渉
最近の世論調査によると、国民の8割以上が政府とイスラム急進派、モロ・イスラム解放戦線(MILF)との和平合意達成を期待しているとの結果が出た。また、アキノ政権によるイスラム反体制勢力との和解に向けた努力についての評価は「適度」とされた。この調査はアキノ大統領がムラド同戦線議長と日本で電撃的に会談する前に行われている。
いずれにせよ、この調査結果から二つのことが引き出せる。一つ目は今日ほど和平交渉に向けて機が熟した状況はこれまでなかったということだ。和平交渉達成が国民にとり最大の懸案事項と意識されているからだ。どのような和平合意内容が文書に盛り込まれても、それが少なくとも憲法に基づき、理性的で透明な交渉過程が確保されれば、ミンダナオ地方で永遠に続くと思われた戦闘を終わらせるために国民を納得させることができるのだ。
そして二つ目は国内の大部分が和平プロセスに様々な投資をしていることだ。前政権下に行われた「父祖伝来の土地問題」に関する覚書の締結では、国民や最高裁の反撃を受け、怒った同戦線メンバーらによる血の復讐が行われるなど、和平への希望がうち砕かれた苦い経験を持っている。このような悲劇を再び起こしてはならない。
大統領による和平交渉に向けた開放性や会談などジェスチャーはイスラム組織に独立要求を捨てさせ、かわりに「サブステート(小国家)」の設立を要求項目に盛り込ませた。現在の懸案はMILFから分裂したカト部隊長率いる武装集団の存在だ。MILF側もこの集団は指揮系統から離脱したと表明した。政府の和平交渉団はこの危険な集団を断固として抑え込むという言質をMILF側から確保すべきだ。(19日・インクワイアラー)