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7月25日のまにら新聞から

ハロハロ

[ 572字|2011.7.25|社会 (society)|ハロハロ ]

 NHKの朝ドラ「おひさま」の舞台になっている長野県・安曇野の風景に魅せられ、泊りがけで出掛けた。松本盆地の扇状地に広がる安曇野は「光と水と緑の郷」がキャッチフレーズ。湧水による清流と三叉路などに建てられた多くの道祖神。田植えを終えたばかりの青々とした水田地帯が続く。3千メートル近い大天井岳、常念岳、燕岳など北アルプス連峰の山並みが目の前にそびえ立ち、その雄大な景色に圧倒された。

 観光名所の一つにもなった広大な「大王わさび農場」に近づくと、駐車場脇の蓼川の岸辺に「おひさま」のロケ用に使われた三角屋根の赤い建物が見えてきた。何ともきゃしゃな大道具だが、テレビで映像を見ると立派な建物に見えるから不思議だ。少し離れた下流の水辺には古びた3連水車がゆっくりと回転していたが、1990年に黒沢明監督が映画「夢」のロケ用に作った施設だという。

 本物志向の黒沢監督らしく、3連水車は20年以上たっても苔(こけ)に染まりながら当時の風景を残したまま活躍している。残念ながら作品を見る機会はなかったが、WEBで検索すると、映画は8話から構成されたオムニバス。3連水車は「水車のある村」のシーンで登場する。米国の映画会社に働きかけ、ようやく制作が実現したため、上映用のプリントは東京国立近代美術館に保存されている1本だけだという。(富)

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