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6月20日のまにら新聞から

公正な報道を

[ 732字|2011.6.20|社会 (society)|新聞論調 ]

大量虐殺事件の生中継

 最高裁はこのほど、ミンダナオ地方マギンダナオ州で2009年11月に起きた大量虐殺事件公判のテレビ生中継を認める判決を下した。生中継に関する報道上の規則については公正かつ合理的でなければならない。

 2000年に行われたエストラダ元大統領の違法賭博疑惑をめぐる弾劾裁判で導入された生中継では、取材に当たった各報道機関の解説者は偏った意見を述べ、同元大統領が有罪かのような映像を流した。

 例えば米国では、証人が証言台に立つ場合、別の証人の証言が終了するまで法廷内に入ることはできない。

 同元大統領の略奪罪に関する裁判では、生中継こそ認められなかったものの、反エストラダ陣営寄りの報道機関は検察側証人が出廷する際には取材し、弁護団側の証言には目も向けなかった。検察側に集中した報道は、一般視聴者にも同元大統領が有罪だという印象を抱かせてしまう。

 大量虐殺事件の公判においても、報道態勢に関する公正な規則が定められなければ、同元大統領裁判と同様の事態に陥りかねない。

 虐殺事件公判の状況は現在、殺人罪に問われているアンパトゥアン一族に対する検察側の証拠提示が行われようとしているところだ。もちろん、弁護団による反対尋問はあり、検察側への反論もできる。

 しかし、この事件で殺害された犠牲者57人のうち、大半が報道関係者だったことを考慮すれば、公判を生中継する報道機関が「同胞」という立場から偏った報道を行う可能性はあるだろう。現段階でさえ、各報道機関がアンパトゥアン一族を犯罪者扱いしている傾向がある。重要なのは、犠牲者の遺族、被告人の双方にとっての公正な報道で、疑いの余地を残さない証拠の存在である。(16日・トリビューン、ニニェス・オリバレス氏)

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