交通、ごみ、洪水対策を
MMDAと喫煙
トレンティーノ局長率いる首都圏開発局(MMDA)が喫煙対策に乗り出したのには言いたいことがある。喫煙の問題は厚生省に任せるのがベターではないか。MMDAには首都圏の交通対策、ごみ処理、洪水制御という重要な業務がある。
厚生省によると、たばこにより年間少なくとも243人が死亡し、たばこがもたらす病気などを治療するのに年間2350億ペソが費やされているという。
トレンティーノ局長が喫煙者かどうかは知らない。単に自分への健康の害を気にしているのかもしれないし、愛煙家として知られるアキノ大統領の周りの人たちに気を配っているのかもしれない。
かつてメキシコは世界でも悪名高い大気汚染の国で、そこで呼吸をすれば、1日にたばこ2箱を吸ったことに等しいとまで言われた。比の首都圏では、汚染された大気のなかで何箱のたばこを吸ったことになるか。
喫煙禁止の責任を引き受ける前に、同局長は本来の業務を見直すべきだろう。
MMDAが①交通管理②ごみ処理③洪水制御︱︱の3つの優先分野に専念するよう望みたい。洪水対策は優先順位が高いと思うが、公共事業道路省(DPWH)などと協力を強化すべきだ。雨期が始まった今、排水溝をふさいで洪水を引き起こすため、ごみ処理問題も関係してくる。
交通問題では、DPWHや国家経済開発庁(NEDA)、地方自治体にも協力を要請して交通インフラの整備に当たるべきだろう。首都圏にはカビテ、リサール、ラグナ各州から通勤者や車両が流入し、交通渋滞をもたらすからだ。
同局長が首都圏をより良くしようと熱心に取り組んでいるのは分かる。だからこそ戦略を見直す必要があると指摘するのだ。(4日・タイムズ)