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6月6日のまにら新聞から

離婚法を通せ

[ 722字|2011.6.6|社会 (society)|新聞論調 ]

選択する自由を

 フィリピンは離婚が許されない唯一の国となった。人口の95%がローマ・カトリックで、離婚を違法としてきた地中海に浮かぶマルタ共和国で、離婚合法化の是非を問う国民投票があり、約54%が賛成という結果が出たのだ。

 離婚法案を昨年起草した女性政党ガブリエラのイラガン下院議員は「取り返しのつかない不幸せな結婚をした比人に選択の自由を与えたい」と訴え、同法案支持のベルモンテ下院議長は「一緒に住めない2人が、一緒に住み続けるのは難しい」と語る。一方、法案に反対のソット上院議員は「他国のまねをするのはやめよう」と発言、カトリック教会幹部は「国民投票は政治行為でモラルの実践ではない」と主張する。

 「婚姻契約の解消」申し立てをすれば実質離婚できるが、費用が高額のため、大多数の人にそんな余裕はない。私は婚姻解消のため、8年間貯金をしなければならなかった。夫は離婚に反対した。しかし夫婦ともに折り合いがつかないことは明白だった。私は家庭内暴力を振るわれ、カウンセラーにも診てもらった。

 離婚後、私と元夫の関係は以前よりも良くなった。娘2人のために、お互いの役割がはっきりしたのだ。離婚せず新しいパートナーと同居し子供を作る、これこそ教会が悪徳とする「婚前交渉」ではないか。

 わが国は子供の国なのか?。独身の聖職者の影響が強く、女性の権利を奪う家父長制に基づく社会がいまだに最終決定を下し続け、自分たちで決められないほど、私たちは幼いというのか。国民投票とは国民が本当に求めること、必要とすることを決めるものだ。モラルは問題ではない。人間の権利、選択する自由を私たちは主張するだけだ。(2日・スタンダードトゥデー、ジェニー・オルトゥオステ氏)

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