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5月16日のまにら新聞から

不滅のレビリヤメ

[ 723字|2011.5.16|社会 (society)|新聞論調 ]

テレビ業界と政治

 児童虐待の疑いで出演延期となっていた人気司会者のウィリー・レビリヤメが復活する。あまたのファンが彼の復活に熱狂するだろう。

 しかし、ライバル放送局は復活を快く思わない。「ウィリング・ウィリー」の放送開始以降、TV5は確実に同じ時間帯に放送される民放他局のニュース番組から視聴率をもぎ取った。キャスターにしてみれば、英語もろくに話せない司会者のゲーム番組に視聴率を奪われるのは恥だっただろう。レビリヤメとTV5はゴールデンタイムのテレビの様相を変えた。彼の復活を視聴者が支持するなら、広告主も戻ってくるだろう。

 事件から約1カ月が経過し、レビリヤメは彼をテレビ業界から永久追放しようとするグループによる犠牲者だという見方が浸透しつつある。国連の国際司法裁判所の判事も務めるカプロン弁護士は、少なくとも5つの政府機関がレビリヤメの適正な法手続きを受ける権利を侵害したと見ている。同弁護士は国家の安全保障や国益に無関係な問題で一民間人に時間と資源をフル投入したことに驚きを隠さない。特に、子供本人への事情聴取や捜査なしに問題の放送直後にレビリヤメを児童虐待容疑で告発した人権委員会と社会福祉開発省の反応は異常だという。彼の行動を児童虐待かどうか判断できるのは裁判官だけだと。

 同弁護士はまた、今回の事件が児童虐待に当たるなら、他局の類似した番組放送も法の下の平等をうたう憲法に従い非難されるべきだと指摘した。同弁護士はレビリヤメを擁護することで自身への非難も予想しなければいけないが、彼を非難する者がすなわちレビリヤメのテレビ業界からの永久追放で最も利益を得る者たちであることは明白だ。(13日、スタンダードトゥデー、アルビン・カピノ氏)

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