経済成長なら推進
原発、比の選択
日本を襲った地震と津波災害が日本の原子力発電所を損傷させた。その中で世界中が、「原発再考」に向かっている。
比は原子力発電を選択することで、割高な電気料金を安く抑え、社会経済を大きく発展させたいと考えてきた。割高な電気料金は、製造業や農業などに携わる外資系企業の阻害要因となり、雇用数も限られてきた。
電気料金は文化や教育にも影響を与えてきた。山岳地帯や離島では電気の供給に多大な費用がかかるため、バランガイ(最小行政区)の多くが電力の恩恵に浴していない。これらの地域では電化されるまで、知識社会に加わることができないだろう。また、都市部の学校も電灯を暗くしながら授業を行うため、勉学に支障が生じている。
先進国の大半は例外なく、原子力を使っている。フランスは電力需要の大半を原子力で賄い、日本も約30%を賄う。米国は需要のうち原子力は約20%だが、発電量は世界最大だ。
私たちは、原子力の選択肢を除外するのではなく、深く考えようではないか。原発推進に最も熱心だった元議員のコファンコ氏は先週、「世界の原発業界が内省する良い機会だ。福島第1原発の例を検証し、想定されていた安全性にまだ妥当性があるのか、日本と同じ災害が起きても防げるのかを考えるべきだ」と語った。彼の主張は的を得ている。
経済成長を図り、生活水準を向上させるためには、電気料金を下げなければならない。その点、原子力発電の電気料金は格段に安価だ。
しかし、原発推進を決めたとしても、ルソン地方バタアン州の原発は福島第1原発のように旧式だ。比は高価でも安全といわれる最新型を持つべきだ。 (15日・タイムズ)