準備と規律の徹底を
比の災害対策
日本は準備に抜かりがなく規律の整った国といわれる。その日本を大地震と津波が襲い、おびただしい数の死者と破壊もたらした。
日本と同じ環太平洋火山帯上に位置する比は自然災害に弱く、これまで多数の命と財産を失ってきた。1973年3月ラガイ湾地震マグニチュード(M)7、94年11月ミンドロ地震同7・1、90年6月パナイ地震M7・1、02年10月カシグラン地震M7・3、76年10月モロ湾地震M7・9、そして90年7月のルソン地震M7・9。モロ湾地震では、津波が海岸線700キロ以上にわたり打ち寄せ、約5千人が死亡し約10万人が家屋を失った。
科学者たちはM7・2の地震が発生した場合、建物の崩壊は家屋で38%、10〜30階建てビルで32%、30〜60階建てビルで14%、国州市町の建物で30〜35%。建物の下敷きになるなどで死者は3万3500人、火災が起きればさらに1万8千人。負傷者は11万4千人と予測している。
政府や比火山地震研究所、公共事業道路省、建築家などが作成した提言書には、①既存ビルに対する構造、地質検査実施②建築基準の順守③断層の上や地滑りの起きやすい山の麓、津波にさらされる可能性のある沿岸には住宅を建設しない④地震、食糧、火山噴火、津波、洪水に備えた災害予測地図を用意⑤日本、米国、台湾、韓国から災害対策を学ぶ⑥ビルの構造基準を再設定⑦国民に防災と準備の必要性を認識させる⑧防災管理に使用できる安全な公園の確保⑨各自治体での防災対策の策定⑩防災に対する教育プログラム強化︱︱などが示されている。
大地震は世界中で頻発している。比人には特に準備と規律が不可欠と教えなければならない。(15日・インクワイアラー)