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3月7日のまにら新聞から

再就職より起業を

[ 733字|2011.3.7|社会 (society)|新聞論調 ]

リビア帰国者対策

 情勢が悪化するリビアから帰国する比人海外就労者(OFW)は約3千人に上ると予想される。また、台湾人の中国送還問題による関係悪化から、台湾でのOFW失業も懸念されている。

 台湾に限って言えば、事態がこれ以上深刻化するとは思わない。なぜなら、台湾の基幹産業である電子機器業界は、英語を話せる比人熟練労働者を今後も必要としているからだ。現在の政治的行き詰まりは遅かれ早かれ、この経済的事情によって解消されるだろう。

 より心配なのは、リビアや中東諸国から帰国するOFWの今後だ。アキノ大統領は、帰国後の再就職先を確保するよう労働雇用省などに指示したが、活況を呈する国内産業はコールセンターなどビジネス・アウト・ソーシング(BPO)だけ。また、帰国者の大部分は、年齢や能力の問題からBPO産業への就職は難しいだろう。中東諸国で働くOFW約60万人は、この比国内事情を知っており、帰国して失業者となるより、可能な限り出稼ぎ国にとどまり続ける道を選ぶとみられる。

 もしわたしが大統領ならば、労働雇用省ではなく、貿易産業、財務両省や国税局に帰国者対策を指示する。つまり、比国内での再就職を世話するのではなく、税制面での優遇措置や職業訓練、低金利での資金貸付を通して起業を促すのだ。

 帰国者の多くは、外国人雇用者の下でさまざまな経験を積み、起業に必要なノウハウや能力を蓄積している。特に地方部の出身地へ戻る帰国者にとっては、農業分野が有力な起業、投資対象になる。また、起業できない帰国者の再就職では、ジョブフェアーの開催や職業訓練に加えて、元OFWを優先的に雇用する民間企業に税制面の優遇措置を付与するなどの対策が有効だろう。(1日・タイムズ、アーネスト・ヘレラ氏)

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