住民の協力が必要
続発する車両強奪事件
警察は車両強奪事件について大がかりな捜査キャンペーンをするが、効果を挙げていないようだ。首都圏ケソン市で1月31日、武装集団がトラックを強奪し、乗っていた子ども2人も拉致した。事件は車両の強奪だけでなく、拉致事件にまで発展した。
またマカティ市で1日、45口径拳銃で武装した4人組が路上に駐車中の多目的車を盗んだ。同市の商業施設で調理師として働く元上院議員ロハス氏のいとこの車だった。一方、ケソン市で2日午前5時ごろ、民家に強盗が押し入り、車の鍵を強奪しガレージから多目的車を盗んだ。
逮捕された犯人は、取り調べを逃れようとするのが常である。先月、中古車販売業者のエバンヘリスタさんが焼死体で発見された事件で逮捕されたレイモンド・ドミンゲス容疑者もこの例にもれないが、2日、マルコス大統領の取り巻きだった弁護士の息子の車販売業者と運転手の男性を殺害したとして起訴された。
国家警察高速道路警備隊は、ドミンゲス・グループを含む車両強奪組織11グループを特定し、行方を追っている。しかし同隊によると大半が逃走中か、過去に逮捕されても保釈中という。
犯人は犯罪から逃げ切れると確信した場合のみ、犯行に及ぶ。当局は車両強奪組織に協力する陸運局(LTO)職員と警官の調査を早急に行うべきだ。
車両強奪は、住宅地のガレージ内に駐車中の車にまで及ぶ。住民による警戒態勢は、この強奪を止めるために効果がある。また当局は強奪車の車体を塗料で塗り替え、エンジンや車体の番号まで替えてしまう自動車修理工についても警告を出すべきだ。警察による大規模で継続的な追跡捜査にもかかわらず、車両強奪事件は続発している。これを止めるため、住民による協力が必要だ。(3日・スター)