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8月30日のまにら新聞から

ハロハロ

[ 688字|2010.8.30|社会 (society)|ハロハロ ]

 もしもわが家で今年の重大ニュースを選ぶなら、恐らくトップ候補と思われる出来事が先日起きた。窓を開けるとすぐ手の届く、客室の軒下で鳥のヒナがかえった。巣は高さ1メートル足らずに刈り込んだマキ(槙)の中に、枯れ葉や小枝でつくられている。一時、姿を見せなかった2羽の野鳥が虫やミミズをくわえ、頻繁にやってくるのでそれに気づいた。窓を開けるのは厳禁。親が飛び去った後、外からそっとのぞくと、ヒナは3羽。親と間違えたのか、全身口かと思うほど、どれも大きな口を開けていた。

 親鳥は、長い尾だけを見せて木の中に入り、エサを与えているようだ。ヒヨドリよりもやや小さく、全長は25センチ程度で、頭部、背中、翼は灰褐色で、腹部は乳白色。いつも最初に来るのが母親、後を追って2、3分後に姿を見せる、やや大型の鳥が父親のようだ。早速、「フィリピン鳥類図鑑」で調べたが、セキレイ科、ツグミ科に似たのはいても、「これに違いない」と思えるのには、まだ出会わない。鳥の名前を探しあてるのが私の宿題だ。

 子供のころ、近所の米屋の軒にかけられた巣から顔をのぞかせていた子ツバメを見た記憶がある。テレビで放映される野鳥のヒナも何度か見た。だが、それを目の当たりに自宅で眺められる幸せを実感している。マキリン山ろくの丘陵地に住んで、自然と「同居」している余禄かもしれない。親はせっせとエサを運んで自分の役目を果たし、生まれたばかりのヒナは、まだ見たことのない親をひたすら慕う︱︱。その親子の姿にジーンとくるものがある。3羽とも無事に育ってくれることを願う。 (濱)

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