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6月14日のまにら新聞から

最初の百日戦略

[ 700字|2010.6.14|社会 (society)|新聞論調 ]

アキノ氏の次期大統領就任

 ノイノイ・アキノ上院議員の第15代大統領就任が決まった。そこで思い出したことがある。私は1972年、アジア経営学院に提出する卒業論文で同議員の父親、ニノイ・アキノ上院議員の政治戦略を取り上げた。

 当時、ニノイ氏は73年の大統領選に出馬する意向を固め、大統領に当選した際の「最初の百日戦略」を子細に練り上げていた。ニノイ氏の政治経歴を研究していた私に、同氏が「百日戦略」案に関する書類をくれたのだ。

 卒論の中で私は、ニノイ氏が目標としていた国民対話、選挙作戦、選対組織、選挙資金管理などの問題を取り上げた。同氏が手書きで仕上げた「百日戦略」の内容は極めて興味深かった。

 ニノイ氏はこの最初の百日間でまず、国民の感情と意識を高揚させることを目指した。当時の政治課題は、平和と秩序、反政府勢力、貧困、政府への不信だった。この中で同氏は特に密輸、銃器売買組織の取り締まり強化と、私兵集団の解体に力を注ぐことにしていた。和平交渉を積極的に進め、反政府勢力が応じなければ、全面攻勢に打って出る考えだった。

 今度は息子のノイノイ氏が「百日戦略」をまとめる番だ。70年代と今では状況が大きく違う。専門家に言わせると、ノイノイ氏の大統領選は「変革意識を持つボランティアという大衆」を巻き込んだ戦いだった。大衆参加の政治確立が第一に望まれる。第二がアロヨ大統領ら政府高官たちの疑惑解明に向けた中立調査委員会の設置。次いで不正蓄財の回収促進、ルイシタ農園の土地問題の解決と続く。最後に望まれるのは憲法改正への姿勢・方針表明だ。ノイノイ氏の「百日戦略」が注目される。(10日・フィリップ・エリャ・フリコ氏)

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