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2月8日のまにら新聞から

資金力で勝負

[ 715字|2010.2.8|社会 (society)|新聞論調 ]

ビリヤール氏の選挙戦略

 大統領選が面白くなってきた。アキノ氏とビリヤール氏が競馬で言うくびの差で支持率トップを争っている。これまでの民間調査で断トツだったアキノ氏に対しなぜビリヤール氏が2、3カ月で追いつけたのか。しかもビリヤール氏は幹線道路予算二重計上問題で上院でけん責される危機に面していたのにである。

 しかし、私はこのような問題で連日、新聞やテレビで報道されることによって逆に彼の人気が高まったと考える。芸能界でよく言われるように、どんな報道であっても本人の名前が正確に表記されていればそれで十分に良い広告になるのである。上院では政敵がビリヤール氏に批判の声を集中させたが、それは国民に政治絡みで弾劾されている1人の犠牲者としてのイメージを植え付けたのかもしれない。

 また、支持率アップは巨大な宣伝費用によるものだという声も聞かれる。テレビやラジオで彼の貧しい出自や貧者への同情心、自身や家族に対して行ってきたことを今後、国に対して行うという約束を強烈に印象付けた。市場調査機関によると、彼は昨年10〜12月期に5億4300万ペソを支出し、新聞、放送メディアでのコマーシャル露出度が並みいる大手企業を抑え14位に入った。 

 これは3カ月間の広告費用に過ぎない。候補者は選挙戦でステッカーやパンフなどの宣伝道具費、ボランティアらの飲食代、地方自治体や有力者への供応代、用心棒代など多大な費用がかかる。ビリヤール氏は大統領選の費用として20億ペソの予算を組んでいるとの話もある。人心を金であおるだけの選挙ではなく、候補者個人の良心や誠実さを重視した投票行動を促す選挙改革が必要だ。(5日・インクワイアラー、リナ・ダビッド氏)

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