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12月21日のまにら新聞から

新聞論調

[ 736字|2009.12.21|社会 (society)|新聞論調 ]

国民への裏切り

  自身の生命の危険を案じて裁判担当を忌避する判事らは裁判所から追放するべきだろう。彼らは公僕として職務に就くと忠誠を宣誓したのだ。担当する裁判に直接利害が交錯するなど利害関係者条項に基づく理由ではなく、恐怖心から裁判担当を忌避するという行為はこの宣誓を裏切るものであろう。

 また、彼らは国民の血税からそれなりの給与を得ているのだ。判事に任命されるためにこれまでさまざまな任官運動も行ってきたであろう。よって職務にまつわる危険は当然のものとみなすべきなのだ。職務を忌避することは国民を欺くことであり、法曹界に身を置くことを恥じるべきだ。

 大量虐殺事件に絡みケソン地裁のコルテス判事がアンパトゥアン一族の裁判を忌避した一件は、最近、カガヤン州のある町長を殺人罪の容疑で裁いた訴訟を思い起こさせる。この裁判の担当を控訴裁判所の判事全員が当初、忌避したからである。というのも、この町長を起訴した検事や証人らがことごとく暗殺されたため、普段、人々から尊敬を受けているはずの判事が次々と忌避を申し立てたのだった。この際にもプノ最高裁長官は忌避した判事たちを罷免することは決してなかったし、訓告することもなかった。

 そもそも判事や検察官はジャーナリストより勇敢であるべきだろう。アンパトゥアン一族によって殺された31人を含め、これまでに国内では数百人のジャーナリストがすでに殺されているのだ。判事らは警察による24時間の警護サービスを受けることも可能だ。しかし、ジャーナリストたちはこのような警護も受けられないにもかかわらず、死の脅迫にも恐れることなく汚職役人に関する真実を白日の下にさらすため、自分の職務を遂行しているのだ。(18日・インクワイアラー、ニール・クルス氏)

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