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11月23日のまにら新聞から

偏見と差別

[ 690字|2009.11.23|社会 (society)|新聞論調 ]

同性愛者政党却下

 次期統一選の下院選政党リスト制に絡み、中央選管は、同性愛者で構成される団体「アン・ラドラッド」の政党登録申請を却下した。この決定は、同性愛者が社会的に無視されている現状を如実に示している。同性愛者は、性的な好みを理由に差別され、「道徳的に間違っている」という社会通念の犠牲にされている。

 中央選管は偏見だけで市民権をはく奪した。「登録を認めれば、若者に不道徳を見せつけることになる」と理由を説明。さらにキリスト教、イスラム教の教えに反するとも続けた。 

 出馬資格に宗教が踏み絵にされることはない。これは政教分離の原則に一致している。罪と犯罪を混同すべきでない。同性愛者は、政党創設の資格をはく奪されるような犯罪を犯しているわけではない。それは単に性別の好みの問題でしかない。

 さらに中央選管は、共和国憲法を盾に若者を道徳的に守る必要があると主張した。性別の好みを根拠とした差別と戦う市民団体を政党に認可することが、若者を不道徳の世界に導くことになるのか。同性愛は、若者から遠ざける必要があるほどの精神障害だとでも言うつもりか。

 カトリック教義を正しく理解していれば、同性愛は罪ではない。

 近代の民主主義は寛容という原理の基に構築されてきた。ある宗教的信念を別の者に押しつけない。時代をさかのぼれば、また特定地域では同性愛者は異端者とみなされてきた。しかし同時に、神父や呪術(じゅじゅつ)者の中には同性愛者がいるのも事実である。それは正否の問題ではない。

 下院議事堂内には性的不道徳者がいるともされる。同性愛者を受け入れない理由などない。(16日・マラヤ)

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