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9月7日のまにら新聞から

新聞論調

[ 702字|2009.9.7|社会 (society)|新聞論調 ]

不思議なオーラ、故マナロINC代表

8月31日に84歳で死去したキリスト教系教団、イグレシア・ニ・クリスト(INC)のエラニョ・マナロ代表。彼の父が1914年に創設した教団は深い悲しみに襲われた。

 信者たちにとって彼は、堅く結ばれた家族の父親のような存在だった。比のカトリック教徒はINCについてよくは知らず、マナロ代表は謎の存在と映った。しかし、それは彼がごく普通の質素な人間であり、公の場に出るのを嫌ったからだ。派手に振る舞う他の宗教家とは違い、これこそが彼の不思議なオーラを生み出した源だ。

 父も彼も、共に半世紀近く教団を導いた。両代表の長寿により、信者たちは堅い結束と信仰の規律正しさを保った。誰に聞いても、彼は真の信仰者であり、質素で家族と信者に献身的だった。信者らは、単に彼が神に選ばれし予言者だからその死を嘆くのではなく、彼の人間性をしのび悲しんでいる。

 一方で、彼が教団を通して比社会に果たした役割は「政治」抜きには語れない。多くの政治家たちと同様、通夜には現大統領の子息、アロヨ下院議員も姿を見せ、弔意を表した。同議員がマナロ代表に贈った賛辞は社交辞令ではなく、誠意にあふれていた。

 ある議員は「マナロ氏なしで、アロヨ『大統領』は実現しなかった」と話した。教団の協力で果たせたマルコス元大統領再選以来、規律正しい教団信者の票が、常にまとまって代表の支持する政治家に投じられてきたからだ。

 しかし、2006年に現大統領が改憲を強行しようとした際は、その露骨な不道徳さに教団は抗議運動を精力的に展開した。アロヨ議員は次の聖書の警句を思い出すべきだ。「神が与えしものは、神が奪う」。(4日・インクワイアラー)

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