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6月15日のまにら新聞から

終えんの時迫る

[ 685字|2009.6.15|社会 (society)|新聞論調 ]

大統領の延命工作

 アロヨ大統領とその支持者らは改憲反対行動が拡大しても、改憲を強行し首相として延命できると考えているだろう。大統領権限で非常事態宣言を出し、その間に改憲議会で改憲を実現する。いわゆる「宮廷革命」を起こし、延命を図るという筋書きだ。

 しかし非常事態宣言、戒厳令の発令、最高裁による合憲判決で改憲が実現しても、大統領らが直面するのは民衆が苦痛から脱するために起こすであろう都市ゲリラ戦だ。

 都市ゲリラはいつ、どこで起きるかが分からず、大統領の忠臣や彼女に身を売った国軍や警察でも、ゲリラ戦に対抗するのは困難。手を焼く彼らは権力を見せつけるため反政府指導者らを拘束する。これにより民衆の怒りが拡大、ゲリラ戦が活発化する。政府は独裁色を強め夜間外出禁止令を出し、さらなる多数の政敵の拘束や国軍による抗議行動の武力鎮圧につながる。

 世界の報道機関がこの動きを報道し、一方で外国政府が大統領に独裁を止めるよう圧力をかける。その間、現在まさにわれわれが体験しているように、政情の悪化に伴い経済状況も悪化していく。そして民衆の反乱が表面化し、大統領とその忠臣、仲間らは国外脱出、亡命を余儀なくされるのだ。

 なぜこのようなことが予言できるのか。大統領周辺の動きは、民衆によって打倒されたマルコス政権と全く同じだからだ。マルコス時代には、民衆が反政府行動を起こすのに実に三年かかった。戒厳令と独裁を経験した国民は、抗議行動などを迅速に起こす必要性を分かっている。彼らはこれ以上政府の画策を見過ごせない。十日の改憲反対集会が十分にその意思を示している。(11日・トリビューン)

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