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6月15日のまにら新聞から

不安の克服を

[ 665字|2009.6.15|社会 (society)|新聞論調 ]

電子投票システム

 中央選管(メロ委員長)は九日、電子投票システム納入に関する競争入札でスマートマティック、トータル・インフォメーション・マネジメント両社の企業連合体との契約を決定した。入札額は約七十二億ペソ。メロ委員長はこの進展に安堵(あんど)し、「何としてでも(電子投票システムによる)選挙をやり通す」と発言した。

 同システムをめぐる一連の論争が入札審査を悩ませたのは明らか。第一段階では応札した七社すべてが失格。やっと審査を通過した企業が出た矢先、審査をめぐる贈賄と優遇処置があったとする申し立てが出た。他国の選挙で納入されたシステムの機能不全の有無などと同時に、入札企業関係者にも疑惑の目が向けられた。

 さらに実機テスト中、機械から煙が出る騒ぎもあった。導入計画が予定より数週間遅れたが、事態は何とか正常化し、中央選管は長年の不正行為や無能力さなどを払しょくし、汚名返上の決意を固めている。

 しかし、即時導入を快く思わない者たちもいる。どのような事態が起きるかが分からないからだ。また、当選に不可欠とされた不正行為が通じなくなるとも危ぐしているためだ。

 同システムは不正防止にはならないという主張もある。科学技術が不正行為への窓口を狭めても、候補者らによる買票行為を止めることはできないからだ。

 手作業による集開票はこれ以上容認できない。次の段階に進む以外、選択肢はない。同システム導入下の次期統一選を成功させねばならない。的確な情報と警戒心があれば、不安の克服と真の変化の実現は可能だ。(11日・スタンダードトゥデー)

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