ネット言論の自己規制を
ゴルフ場騒動の報道
昨年のクリスマス直後、リサール州のバレー・ゴルフ・クラブで起きた事件はプロのジャーナリストにとって悪夢だったに違いない。デラパス一家とパガンダマン長官一行とのプレーをめぐる騒動だ。まず、最初にこの事件を「報じた」のがデラパス一家の一員である女性が書き込んだブログだった。彼女は事件をヒステリー気味に、またかなり不正確に書き込んだ。
彼女は「俺のことを知っているのか」というセリフを言ったのが長官だと説明していた。しかし、事件の目撃者らによると、このセリフを言ったのはデラパス家側の父親で、長官の息子に傘を投げ付けた際に発したのだという。しかもこの時、長官の息子は寛容にも後から追いついてきたデラパス一家に先にプレーするよう譲った直後だったのだ。
ブログの内容がその後一人歩きし、サイバー読者から既成のメディアにまで広がった。新聞記者やニュースキャスターがブログの内容をなぞって、長官をつるし上げたのだった。無責任なブログの作成者も問題だが、その内容を確かめることなく復唱したジャーナリストもさらに問題だった。
同ゴルフ・クラブはその後、全ての目撃者からの証言を基に裁定を下した。デラパス一家は永久追放とし、長官の二人の息子も同様の措置とした。一方、長官は二年間の利用禁止処分とした。ほとんどのプレーヤーはこの裁定を出したゴルフ場の知恵に感服している。
そもそもゴルフ場で前の組がプレーしている最中に自分のボールを打ち込む行為は危険であり、マナーにも反する。パガンダマン長官は個人的に腰が低く、楽しいプレーヤーである。ネット利用者も言論に責任を持って自己規制すべきだ。(20日・スター、アレックス・マグノ氏)