上院聴聞会の失敗
農務省予算流用
三年間の長い月日を経て、ボランテ元農務次官がようやく上院聴聞会に姿を現した。しかし、驚くべきことに同元次官は、七億二千八百万ペソの肥料基金の不正流用、アロヨ大統領の関与を一切否定、さらに不正流用で利益を得た政府高官についても知らないと否定した。
また長い間、米国から帰国できなかったことについて①生命の危険があった②米当局に拘束されていた︱︱と主張した上、上院のみならず国民に対して「上院での証言を避けていたのは圧力があったからだというのを信じてほしい」と懇願した。元次官の発言はすべて信ぴょう性を欠いている。
二〇〇四年の大統領選挙不正の中心人物、ガルシリアノ元中央選管委員の際と同様、今回も不正の中心人物に真実を語らせるには上院の力に限界があった。しかも上院議員の一部は、準備不足だった。ビアゾン議員は、元次官が〇五年聴聞会への欠席通知を出していたにもかかわらず、確認せずに通知をしなかった理由について質問し、元次官を有利な立場に立たせた。
また、サンチャゴ議員は、証人への非難ばかり。エストラダ議員は、元次官の信用性、証言の信ぴょう性を試すばかりか、容態についての質問を繰り返し、逆に自身のかつての状況と比較し同情するありさま。
ボランテ元次官は、次回の聴聞会でさらなる質問を受ける。われわれが知りたいのは、肥料基金の予算の支出手続きがとてつもなく異常に早かった点についてだ。もし、この一連の証人喚問が大統領の関与を導きださないのであれば、全政府関係者を証言台に立たせなければならないだろう。(14日・インクワイアラー)