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10月20日のまにら新聞から

新聞論調

[ 696字|2008.10.20|社会 (society)|新聞論調 ]

刑事裁判を起こせ

 このほどアロヨ大統領に対する弾劾発議を下院に提起したグループの黒幕はおそらく下院で発議を支持する議員の票固めは難しいと読んでいるだろう。大統領の権限乱用をチェックするために憲法で保障された手続きがこの弾劾裁判であるが、今では数字ゲームに成り下がっている。

 特に最近では、ばかげた内容の弾劾理由を含めたり、最初から却下されることを狙って発議するグループがいたため、その意義がさらにおとしめられた。政府高官にとり、弾劾発議後一年間は別の発議で訴えられることがないため、一種の予防接種のような働きとして利用されているようだ。

 エストラダ前大統領のケースでは、弾劾裁判は国のトップを失脚させられる手続きという印象を与えた。しかし、米国のクリントン前大統領のように逆に自己の主張の正当性を確実にしてしまう場合もあるのだ。

 このような公務員や政府首脳の説明責任を促進させる役割を持つべき手続きがこの国ではパロディーと化している。単なる数字ゲームに陥り、冷笑的な国民の目からすると、下院議員がまた、大統領府から現金入りの茶封筒をもらえる機会を増やしたにすぎない。また、大統領府では、今回の弾劾発議を申し立てた政治家の中には次期上院選挙に立候補を希望する人物による売名行為という見方をしている。

 しかし、もし弾劾発議に正当な理由がある場合には、下院議員たちは政治的思惑から距離を置き、あくまで下院の義務を果たし、上院への発議送付を目指すべきだ。弾劾発議を提起した議員たちは、まともな統治機能を維持するために必要であるとするならば、近い将来、刑事裁判として提訴すべきである。(15日・スター)

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