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9月8日のまにら新聞から

ハロハロ

[ 560字|2008.9.8|社会 (society)|ハロハロ ]

 東京で暮らすインドネシア人イスラム教徒たちも一日から「断食」に入った。昼間の気温が三十度前後という残暑が続く中、夜明けから日没まで、飲食を断つのは相当に苦しい。約十二時間に及ぶ断食が終わり、飲み物、食べ物を口にできる「ブカ・プアサ」の到来は何よりの楽しみだ。ブカ・プアサとは、インドネシア語で「一日の断食明け」を意味し、家族や親友たちと食卓を囲み、楽しいひとときを過ごしながら、ムスリム(イスラム教徒)間の親交を深める。

 ジャワ出身のムスリム、東大大学院生のジョコさんと情報企業で働くディンダさん夫妻にブカ・プアサに誘われた。その日のブカ・プアサは、日本滞在約二十年の別のインドネシア人夫妻宅で開かれた。午後七時、既に十人を超える同胞が甘いお茶の入ったコップを手に談笑していた。「お茶でまず、空っぽのおなかをいたわり、食事に備えます」とジョコさん。

 日中トーストや日本そばを口にした身にはブカ・プアサの資格はないが、「その時」を待つ。「食事を始めましょう」。主人の言葉を合図に、ムスリムたちが手にした皿に祖国の味を盛っていく。彼らが次に食事をするのは「サフール(断食開始前の食事)」で、夜も明け切らぬ午前三時。その後、日没まで飲食はしない。試練を積み重ねながら、ムスリムたちは信仰心を強める。(道)

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