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2月4日のまにら新聞から

法廷警備の失敗

[ 723字|2008.2.4|社会 (society)|新聞論調 ]

地裁構内の殺人事件

 ミンダナオ地方西ミサミス州のレイ・ヤップ元町長がマニラ地裁で開廷を待っていて射殺され、他に二人が負傷した。過去の政治的抗争が背後にあるようだが、国家警察はまず、法廷近くで殺人事件が起きたことを釈明すべきである。リム・マニラ市長によると、元町長は以前にも襲われたことがあったが、助かったという。厳重な警備が敷かれて当然であった。それなのに暗殺者は同地裁のあるマニラ市庁舎の四階廊下まで入り込んだ。しかも「ポリス」の文字入りTシャツを着て、銃器を持ち込んでいた。警察当局はまず、マニラ市庁舎、特にマニラ地裁の警備がどのように実施されていたかを究明しなければならない。

 一方、紛争を暴力で解決させないようにすることこそ裁判所の使命である。そのために、裁判所は不安を感じたり、身辺保護を求める人たちに安全を保証するのが最低の威信確保であろう。被害者は被告人から報復される恐怖を取り除かれねばならない。被告人もまた、危害を加えられずに自分の名誉を守れることが必要だ。

 殺人事件の被告が法廷のすぐそばで殺されてしまうのは、市民にとって悪夢だ。これでは裁判で平和的に紛争が解決されるだろうという信頼が崩れてしまう。そればかりではない。司法はアロヨ政権にとって過去七年間、しばしば気に入らない存在であった。今回の事件は、法廷の内外でさらなる殺害事件が起きるという悪い予兆といえるかも知れない。

 司法機関は国家警察の積極的な支援を得て、安全策を強化せねばならない。出入り制限、金属探知機設置、刑務官との連携緊密化、拘束中の危険人物については警戒態勢を敷くなどである。マニラ市警察本部は大失敗について釈明せねばならない。(1月31日・インクワイアラー)

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