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1月21日のまにら新聞から

ハロハロ

[ 596字|2008.1.21|社会 (society)|ハロハロ ]

 ペソに対して円はすっかり弱くなった。二十一世紀初頭が懐かしい。比ではインフレ率が低下したとはいえ物価は上昇中。為替レートもあって、円換算すると「こんな値段?」と驚くことになる。マカティ市P・ブルゴスのカラオケ店で三、四年前、セット料金約三千円だったのが約五千円になっている。物価が安いフィリピンはいまや伝説か。

 民放の経済番組を見ていたら、中国やロシアの富裕層がどっと観光旅行に来て東京・銀座のブランド店で高級腕時計などを「割安だ」と買っている。苗場スキー場の風景にも驚いた。ロシアからスキーに来る客が激増、ひと冬百人単位だったのがいまや二千人規模に膨れ上がり、家族連れでスキーをエンジョイしている。日本は物価が安い上、近場は新潟まで空路一時間半で来られるのが魅力という。

 日本の国内総生産(GDP)がこの十年ほぼ横ばいと低迷しているのに対し、円熟の英、仏、伊諸国でさえ同じ時期のGDPは五割増という。日本だけが蚊帳の外。円の実力低下は歴然だろう。その上、年頭から米国の景気後退モードに引きずられて日本経済は失速気味。株価は急落中だ。子(ね)年には大事件がよく起きている。古くは二・二六事件から戦後の帝銀事件、六〇年安保闘争。社会に衝撃を与えた浅間山荘事件、グリコ・森永事件などは記憶に新しい。経済不安と社会不安の連鎖だけは願い下げだ。  (紀)

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