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1月14日のまにら新聞から

聖職者の政界進出

[ 730字|2008.1.14|社会 (society)|新聞論調 ]

教会法委員長発言

 カトリック司教協議会(CBCP)の教会法監督委員長を務めるメドロソ司教の発言が波紋を広げている。同司教は最近、聖職者と政治との関係について、「パンリリョ氏の真似は慎むべき」との見解を表明、聖職者の政治活動関与にくぎを刺した。パンリリョ氏は、昨年五月の統一選で司祭職を一時離れてルソン地方パンパンガ州知事選に出馬、アロヨ大統領系の与党候補を破って当選、話題を呼んだ。

 パンリリョ知事は「聖職者は政治と一線を画すべき」とメドロソ司教に同調、だがその一方で、「聖職者は信者たちに責任ある政治をもたらさねばならない」とも発言、立場に微妙な相違をにじませた。原則論では聖職者は政治活動に手を染めてはならず、教会法も「聖職者は世俗的権力を振るう公職に就いてはいけない」と規定している。パンリリョ氏は同規定に基づき、知事選出馬を前に聖職からの一時離脱の措置が取られて出馬を認められた。教会法の「教会と国家に一線を画す」基本姿勢は守られた形だ。

 しかし、同時に教会法には、「教会の権利擁護および公共善の振興に必要」と判断された場合を除いている。同州知事選の与党系候補は汚職、違法賭博フエテンへの関与が指摘され、パンリリョ氏はこの有様を「異常な事態」ととらえ、まずは一般信者の中から州知事候補者を選び出そうと奔走した。

 しかし、同氏の呼び掛けに応じる者は現れず、そこで同氏が州民の生活を考え、最後の手段として聖職を失う危険を冒して自ら選挙に出馬することを決意したのだ。とはいえ、「異常な事態」がどこにでもあてはまるわけではない。聖職者の安易な政界進出は一般の信者から政治の場を奪い、市民としての義務を果たせなくさせる危険性があるからだ。(10日・インクワイアラー)

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