新聞論調
金の出所を追及しよう − 大統領府のばらまき金
パンパンガ州のパンリリオ知事らが大統領府で受け取った金はまさに天から降ってきたマナ(キリスト教の神からの恵み物)だった。政府高官は、そんな金はどこからも出ていないというが、砂漠のしん気楼だとでも言うのだろうか。
大統領府は市長や町長で名乗り出た人がいないとか、「単なる贈与金」「記念の印」とか言うが、紙袋や封筒に入った金が大統領府から出て、下院議員や州知事の手に渡ったことを否定しても無駄である。。前マニラ市長のアティエンサ環境天然資源長官は、ラモス元大統領やエストラダ前大統領も政治家に現金を贈っていたと明言している。しかし、アロヨ大統領が伝統に従ったのかどうかなどは別問題であって、その金の出所を究明しなければならない。
アンダヤ予算管理長官は、自省が出した金ではないと強調。さらに、「バランガイ(最小行政区)選挙中の現在、選挙法で(現金供与は)禁止されている。大統領は政府高官に金銭を渡すことはできない」としている。この発言を信用するなら、金の出所は二つ。大統領が自由にできる公金か個人の金だ。
大統領は九十億ペソ以上の公金を自由に利用することができるという。理論上、一般の公的支出と同様のルールが適応されるが、裁量の余地は多大だ。だが、公金でなく、個人の金としたら、現政権にとってさらに深刻な問題となる。
違法賭博フエテンの収益が大統領の私邸で二〇〇四年統一選前、主要な選挙担当者に配られたというミケランジェロ・スセによる二年前の劇的証言が思い起こされるではないか。その証言が今や、ありそうにもない話とは思えなくなってしまった。(18日・インクワイアラー)