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9月24日のまにら新聞から

新聞論調

[ 695字|2007.9.24|社会 (society)|新聞論調 ]

大統領顧問の誤解−前大統領への特赦問題

 アポストル大統領顧問(法律担当)は何も分かっていない。エストラダ前大統領はアロヨ大統領に特赦付与を申し出ないし、特赦されてもそれを受けることはない。なぜ、同大統領顧問は、前大統領が反政府勢力や脱税者に範囲が拡大された特赦付与を申し出ると考えたのか。

 また、サンチャゴ上院議員もこの国の和解を理由に、前大統領に特赦を受け入れるよう迫り、その一方で、ロハス上院議員が前大統領への特赦付与を求める決議案を提出した。この決議案に大統領府が対応を講じない限り、前大統領が特赦の受け入れ有無の主導権を握ることになる。しかし、アロヨ大統領に動く気配はない。

 三十八年前の米国に類似例があった。一九六九年一月二十日に当時のフォード大統領がニクソン元大統領を全面的に赦免したのだ。フォード大統領は、米国民の大半がニクソン元大統領の「有罪」を確信する中、ニクソン氏の有罪・無罪には一切言及せずに特赦を与えた。そして、裁判所は判断の重荷を負わされなかった。

 その結果、米政治は何カ月間も分裂状態となり、その間、ニクソン元大統領とその家族は十分すぎるほどの苦痛を味わった。米国の傷はいえるどころか、深まったのだ。

 エストラダ前大統領の裁判は終わったわけではない。まだ、公務員特別裁判所への再考申し立て、最高裁への上告の道が残されている。これに対し政府与党は、ニクソン元大統領の事例がエストラダ前大統領にも当てはまるか否かを検討すべきだろう。

 とはいえ、エストラダ前大統領の裁判が長引けば、この国がさらに厳しい試練に直面することは間違いない。(19日・ブレティン、エイドリアン・クリストバル氏)

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