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8月13日のまにら新聞から

新聞論調

[ 686字|2007.8.13|社会 (society)|新聞論調 ]

負け戦を直視せよ− 無惨に死んでいく兵士

 アロヨ大統領、国軍の将軍たちは、自らの非現実的な宣伝をうのみにした妄念から目を覚ますべきだ。反政府勢力を制圧し、テロとの戦いに勝利していると主張しているが、銃撃戦では多くの国軍兵士がハエのように殺されている。

 国軍によると、スルー州の交戦では国軍兵二十七人、武装集団二十六人が死亡したという。だが、国軍は味方の死者数を控えめに、敵の死者数を水増しする傾向がある。

 国軍は、武装集団が死傷者を連れ去ったと言うが、ではどのように敵の死傷者を数えるのか。銃撃戦のさなかに国軍兵が相手の死傷者を数えられるわけがない。

 国軍は、海兵隊虐殺事件の下手人をアブサヤフとモロ民族解放戦線(MNLF)分派だというが、モロ・イスラム解放戦線(MILF)指導部は、自派の報復攻撃だと主張している。敵が誰であろうと、明確なのは国軍が戦闘で勝っていないことだ。エスペロン参謀総長は、アブサヤフを来年までに撃滅するなどと大見栄を切ったが、反政府勢力は強力になるばかりである。

 国軍は、装備も訓練も勝っているはずの兵士が武装集団の小グループに大量虐殺されている現実、相手が誰なのかも見極められない情報の乏しさを認識すべきだ。

 問題は、国軍幹部の多くが実戦を知らない能力不足で、国民ではなく国軍最高司令官たる大統領に忠実なら出世するという党派性である。

 装備不十分で貧しい一般将兵が戦場に放り出される一方、将軍たちはぜいたくで快適な暮らしをむさぼっている。大統領も無能な将軍たちもなすすべなく、これからも負け戦を続けようとするのか。(11日・トリビューン、ニネス・オリバレス氏)

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