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7月3日のまにら新聞から

教会に縛られる政界

[ 685字|2006.7.3|社会 (society)|新聞論調 ]

政教分離の現状

 政教分離はフィリピンの憲法に唱われているだけでなく、カトリック教典にも明記されている。。しかし、アロヨ政権は、人口問題や死刑制度に関する政策決定において、大統領自身の信仰深さを反映させているし、彼女の取り巻き高官たちも、死刑廃止についてローマ法王からいかに称賛され、祝福されたかを誇らしげに語っているのが現状だ。

 国内でカトリック教会からの支持を取り付けようと躍起になっているのはアロヨ大統領だけではない。国会議員たちも多分に教会の意見に左右されている。特に選挙の年を迎えると、司教たちはどの候補者が教会の命令に服する人物かがよく分かってくるという。また、地方自治体の首長や幹部たちも同様で、人口避妊方法の推進や、最近のダビンチコードの上映問題など教会の立場を巡る微妙な政治判断を見ると、彼らの教会の支持を取り付けよう。

 別の見方をすれば、これらの現状はすべて習慣の産物とみることも出来る。長い間、フィリピン社会では、教会から道徳的支持を取り付けることが政争では不可欠だったのだ。そしてこの教会の政治介入の役割は、マルコス独裁政権末期に起きた一九八六年の民衆革命で重要な働きを担ったことで強まったと言える。

 エドサ革命2でも司教たちが民衆を率いて政権交代を導いた。この国では司教たちが政治を含むすべての人間の営みに対していつも立場表明してきたし、メディアも喜んで報道してきた。このような状況を変えるためには、政権側が教会から支持取り付けを得なくとも自分たちの政策を独自に実行に移せるか否かが問題である。それが実施出来て初めて政教分離が実現する。(30日・スター)

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