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6月19日のまにら新聞から

口は災いの門

[ 669字|2006.6.19|社会 (society)|新聞論調 ]

最高裁長官の失言

 最高裁長官が口をつぐんでいられないことで、何が起きているかは明白だ。ある団体は、死刑制度が復活して以来、薬物注射により刑が執行されたレオ・エチェガライ死刑囚について、遺族への補償金千万ペソの支払いを要求している。一方、エストラダ前大統領もまた、二〇〇一年政変で自身の追放を支持した最高裁判断は間違いだったと認めるよう求めている。

 死刑制度への新たな論争の渦の中、パンガニバン最高裁長官は「エチェガライ死刑囚がレイプした少女との父子関係を検察官が証明できなかったにもかかわらず、最高裁が死刑判決を下したのはミスだった」と発言した。死刑執行後、被害少女は救われた気持ちになった。だが、この国で一体だれが犯罪被害者のことを本気で思いやるのだろうか。これに加え、最高裁長官は取り返しのつかない過ちを犯している。死刑執行という重大な行為に最高裁がミスを犯したという最高裁長官の発言は、否応なく司法制度への国民の信頼を揺るがした。

 パンガニバン長官は最近、「単に個人的な意見を述べただけ」と自身の発言の影響を和らげようとしている。この件で長官は、特に最高裁に関して、個人的意見を自分の胸にしまっておくのが最善であることを学ぶべきだろう。

 パンガニバン長官は、退職を前にして地位やおいしい仕事を得ようと政府に取り入る政治家や役人のように振る舞うべきではない。口は災いの門なのだ。最高裁は、政治的混乱の中にあって、この国の安定を維持するという役目を担ってきた。最高裁への信頼が口の軽い最高裁長官によって揺さぶられてはならない。 (14日・スター)

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