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5月1日のまにら新聞から

信頼できない司法制度

[ 679字|2006.5.1|社会 (society)|新聞論調 ]

最高裁、司法両長官の発言

 パンガニバン最高裁長官が、「死刑制度は憲法違反だから廃止すべき」と発言したことは、他の最高裁判事らに確実に影響を及ぼすだろう。一方、ゴンザレス司法長官は、昨年十一月にオロンガポ州で起きた米兵による比人女性レイプ事件で、四人の被告のうち三人を従犯扱いに格下げすべきと発言した。司法長官いわく「群衆を喜ばせるために」格下げされた三被告の名は、とりあえず起訴状には残された。

 この国の犯罪司法制度はこの二人の高官の例が示すまでもなく、貧弱でとても信頼できるものではない。

 大統領府や国会議員らの死刑制度廃止の動きとともに、犯罪撲滅の求道者たちはこの問題を最高裁に持ち込もうとしている。パンガニバン最高裁長官は、仮に自身の早まった発言を責められ、職務停止を受けたとしても驚くべきではない。

 一方、アロヨ政権内の「突撃役」という世間からの評価を楽しんでいるかのようなゴンザレス司法長官は、「この国の判事は群衆の声を仲介している」という発言をした。もし司法長官が本当に米海兵隊員三被告の無実を信じているというのならば、すでに無罪の人間を起訴しているという不当な処置を行っているのだ。このような難題を法廷に持ち込むことは、この国の司法当局に公平性と度胸が欠けていることを示している。

 司法当局側の二人の発言により彼らはしばらくの間、評価を上げることになるかもしれない。しかし、それにより比の司法システムの清廉さに疑問が投げかけられた。このような状況では、国民が司法に世論への同調を期待するのも無理はない。今や司法当局が世論を率いているのだから。(27日・スター)

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