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4月3日のまにら新聞から

憲法改正を許すな

[ 696字|2006.4.3|社会 (society)|新聞論調 ]

「国民主導」の発議

 憲法改正は進めるべきではない。まずそれを望んでいる人たちの動機が問題である。アロヨ大統領は権力維持のために、またデベネシア下院議長は自分が大統領に選ばれることなどあり得ないと自覚しているため少なくとも首相になりたいのだ。さらに、ラモス元大統領には首相になることで権力中枢に返り咲きたい意向が読みとれる。その他の下院議員や州知事、市町長も自分たちの任期が延長されるのを期待している。つまり憲法改正を望む者たちは自分の利益を考えているだけなのだ。

 次に憲法改正を実施するためになりふり構わない政権の姿勢も問題だ。国民主導の署名運動だと称してバランガイに集まる貧しい住民たちに金銭や食料がばらまかれている。政治家の友人や親せきに対してはここぞとばかり仕事を周旋する姿が見られ、汚職がはびこっている。

 憲法改正のためには憲法評議会の開催や上下両院の議員投票などの手段があった。しかし、下院の与党勢力だけで憲法改正を主導できないと悟った下院議長らは「国民主導の署名運動」という賭けに出た。この手法については、すでに最高裁が一九九七年に合法性を認めず却下している。だが、最高裁での評決が割れたことに提唱者は望みを託している。

 「国民主導」とは国民自らが主体的に運動を開始することで、今回の運動が「政治家主導」であるのは明らかだ。このような方法を用いること自体、憲法の精神を冒とくするものである。

 現在の二院制の下で抑制されている下院の与党勢力が一院制の下、憲法を好きなように改正したら、彼らはどんな専横政治をしでかすだろう。憲法改正は許すべきでない。(31日・インクワイアラー、ニール・クルス)

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