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1月30日のまにら新聞から

ハロハロ

[ 439字|2006.1.30|社会 (society)|ハロハロ ]

 この一週間、「わたしたちフィリピン人は一つ。この戦いはあなたのためだ」と訴える歌声がラジオ、テレビで流れ続けた。声の主は、宿敵モラレス選手(メキシコ)にTKO勝ちしたボクシングのパッキャオ選手。試合三日後の会議で「国の分断ではなく統合を」と演説した大統領の声と妙なハーモニーを醸した。

 試合中継のあった二十一日午前十時から午後三時ごろにかけ、まるで聖週間中のように世の中の動きが鈍った。街角の人影はまばらで、交通量もぐっと減った。首都圏警察総監は「事件が一件も起きなかった。犯罪者も中継にくぎ付けだったようだ」と言い、ラジオのコメンテーターは「比が一つになった」と叫んだ。

 ノンタイトル戦にかこつけて、「統合を」「一つだ」と繰り返す声は、深まり続ける政治・社会的溝の反照だ。アロヨ上院議員は「国を一つにしたいなら、パッキャオ選手を大統領にするしかない」と冷や水をかけ、折しもパッキャオ・フィーバーが絶頂に達した先週末、国軍決起の未確認情報がまたも飛び交った。(酒)

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