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12月12日のまにら新聞から

メダル優先是正を

[ 686字|2005.12.12|社会 (society)|新聞論調 ]

SEAGの不正疑惑

 タイのタクシン首相が東南アジア競技大会(SEAG)での判定を巡り比が不正を行っていると発言した。首相が性急な結論を出したのは、わが国に関する悪評が近隣国で出回っているためだろう。大統領選ですら不正ができるのなら、スポーツではいとも簡単にできるだろうと考えたに違いない。しかし、タイ人は非難の矛先を比人選手や審判員ではなく、「あの人」に向けるべきだ。詐欺集団が選挙不正を行ったがゆえに、国全体がスポーツでも不正を図ったと疑われたのだ。

 だが実際、陸上競技で比人選手がゴールで追いつこうとしたタイ人選手をブロックし、比人選手の優勝が取り消されたレースがあった。タイではこのレースの模様が何度も放映され、不正があったことをタイ人に納得させた。われわれがなすべきことは、比人とタイ人が競い、比人が勝った試合のすべての映像を再生し、不正の有無を調べることだ。

 今回のSEAGでは組織的不正はなかったように思うが、実際にはオリンピックを含むすべての国際大会で不正が存在している。なぜ、このような不正が「公認」されているかと言えば、特に開催国は最大のメダル数を獲得しようと意欲を燃やすからだ。その意味では、「比を含むいくつかの国はスポーツ精神より金メダル獲得を優先している」と首相の非難は正しい。

 優勝した個々の選手より、それぞれの国が幾つメダルを獲得したかが重要視される。メダル数に対する開催国の執着が不正疑惑を喚起させているのだ。タクシン首相が提案したスポーツサミットでこれらの問題を協議して、フェアプレーの精神に戻るべきである。(5日・インクワイアラー、ニール・クルス氏)

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