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8月8日のまにら新聞から

ハロハロ

[ 530字|2005.8.8|社会 (society)|ハロハロ ]

 半年に一回、定期検診で通っている東京の病院が患者の呼び出しにポケベル・システムを導入した。自動受付機に診察カードを入れると、携帯電話型のポケベルが出てくる。患者はこのポケベルを首に掛け、呼び出し音が鳴るまで喫茶店やコンビニなど院内どこで待機していようと構わない。ベルが鳴ると、受診者が一斉に自分のポケベルの画面をのぞきこむ。

 今年四月に個人情報保護法が施行された。この病院は新築移転を機に大規模な電子診察システムを構築、ポケベル導入も個人情報保護対策の一環という。受診者への連絡はすべてポケベルを使い名前を呼ばない。病室にも入院患者の名札がない。診察が終われば診察カードで自動精算する。大丈夫かなと思うぐらい処理が早い。移転前は「遅い、待たせる、連絡が悪い」と苦情が絶えなかった。

 JR西日本福知山線の脱線事故の際、病院側が負傷者の一部名前を公表しなかった。官庁が人事発令で学歴などを公表しないケースも出ている。全銀行の四分の一の機関で顧客情報が紛失していることも金融庁の調べで分かった。インターネット商店街の楽天市場では顧客のクレジットカードまで流失した。個人情報保護をめぐって関係機関の対応はさまざまだが、結果的には自分で守るしかない。(富)

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