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7月4日のまにら新聞から

政情不安の裏側

[ 670字|2005.7.4|社会 (society)|新聞論調 ]

エネルギー危機

 この国が違法賭博や大統領選のスキャンダルに足をとられている間にも、世界市場での原油価格は一年半で一バレルあたり三十ドルから六十一ドルへ上昇した。原油価格の大幅上昇は石油製品価格の急騰を招き、経済分野へも影響が波及した。

 これ以上の原油価格上昇はフィリピンだけでなく、他国の経済にとっても大きな損害になるだろう。発展は鈍り、生活水準は下降する。中流層を含む多くのフィリピン人の日々の生活が我慢ならないほど困難なものになるかもしれない。

 アロヨ大統領は国民に対してエネルギー危機が国を襲うかもしれないと折に触れ警告し、エネルギー節約を呼び掛けてきた。

 まず手始めとして彼女は電球をエネルギー効率の良いものにする、友人と一緒に車に乗る、普段よりも早くエアコンを消して扇風機を使う、といったことを提案している。

 また産業界の協力も重要だ。代替エネルギーの研究などで創造性を発揮するよう提案している。特に商業ビルやモールでエネルギー消費削減や、バスでの天然ガス利用などを早急に考慮すべきだと発言した。

 政府側でも国家公務員が犠牲と行動の先頭に立つべきだ。アロヨ大統領はすべての省庁に対して四つの法案を通じて少なくとも一〇%以上のエネルギー消費削減を命じた。

 フィリピン国民は政府高官を巻き込んだスキャンダルの解決を求める権利を持っている。しかし、それと同時に原油価格の上昇が私たちの発展と日々の生活に与える脅威を訴えるべきだ。私たち一人一人がその脅威に対してエネルギーを節約し、賢く利用することで対応していくべきだ。(30日・タイムズ)

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