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3月28日のまにら新聞から

全天候型を目指せ

[ 658字|2005.3.28|社会 (society)|新聞論調 ]

着工遅れる北部鉄道

 首都圏とパンパンガ州クラーク特別経済区を結ぶ北部鉄道着工を告げる新聞一面広告が出たのは二〇〇四年十一月。宣伝文は「四人の歴代大統領が三十五年間、果たせなかった鉄道整備が十一月八日に始まる」と高らかに宣言してみせた。

 あれから五カ月がたとうとしているが、工事はまだ始まっていない。線路脇の違法占拠住民の立ち退きが難航しているためだ。

 鉄道整備は中国政府の有償支援五億三千万ドルで進められる予定だ。しかし、国民の肩にのしかかる利払いの起算日は、広告の出た「十一月八日」なのか、それとも住民立ち退きが終わり実際に起工した日なのか、われわれ納税者は知るよしもない。さらに、納税者は一体いつ工事が終わり、どのような列車がどのように走るのかさえ知らない状態が続いている。

 過去五カ月近くで線路脇を立ち退いた住民はマラボン市内の沿線一・七キロに住む約二千世帯にすぎない。大統領府は今年三月二十三日、カロオカン市︱バレンスエラ市間(約七キロ)を占拠する住民の移転を三カ月以内に完了させる計画だが、仮に住民立ち退きに成功したとしても課題はまだある。

 欧米や日本の鉄道はいずれも一部区間を除いて人口密集地域を避けて走る。また、洪水被害を避けるため、レールは地面よりも数メートル高い位置に敷かれている。

 北部鉄道は洪水地帯で知られるルソン島中部を南北に走る。欧米などの鉄道と同様、軌道を洪水時の水面より一︱二メートル高くし、悪天候でもダイヤの乱れない「全天候型鉄道」にするべきだ。(26日・ブリティン、ロメオ・ペフィアンコ氏)

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