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11月15日のまにら新聞から

忘却へ進む兆し

[ 692字|2004.11.15|社会 (society)|新聞論調 ]

国軍の不正疑惑

 各種公共料金の値上げが国民の注目を集める中、国軍の組織的な不正疑惑は忘れ去られようとしている兆しがある。氷山の一角であるガルシア参謀次長の不正蓄財疑惑のあまりに途方もない事実に関心が集まり過ぎているせいもある。しかし、実戦も経験したことがない予算・資金管理の責任者が、たった一人でこのような大それたことをできるのか、国民にはよく考えてほしい。

 一方、ガルシア参謀次長の疑惑解明もはかばかしくない。公務員特別裁判所と国軍はどちらが同参謀次長の身柄を拘束するかでもめており、迅速な司法手続きが求められているのに解決には時間がかかりそうだ。組織的な不正疑惑があまりも問題が大きすぎて手を付けられないなら、せめて同参謀次長の疑惑だけでも満足のいく解答をと国民は望んでいるが、それすら難しいようだ。

 ピチャイ下院議員=南スリガオ州=は国軍が逮捕状の出ているガルシア参謀次長の身柄引き渡しを拒んでいることを非難。また、今年一月にテレビを通じて現政権を非難した陸軍大尉三人が、軍法会議がいつまでも始まらず拘置施設にとどめられていることを指摘。同参謀次長はボーイ付きで自宅に軟禁されているだけで、待遇に大きな差があると疑問を呈した。

 不正蓄財の疑いのあるガルシア参謀次長が自宅軟禁で、国軍内の不正を国民に訴えた大尉三人が最高度の警備が敷かれる拘置施設での監禁というのは、明らかにおかしい。だが、国民の関心が電気料金などの値上げやクリスマスに移りつつある中、この不正義に目を向けようとする者はいるだろうか。国軍の不正疑惑すら日一日国民の関心を失いつつあるというのに。(12日・インクワイアラー)

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