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9月13日のまにら新聞から

利権の源絶つ機会

[ 685字|2004.9.13|社会 (society)|新聞論調 ]

ポークバレル廃止論

 国会議員の優先開発補助金(通称ポークバレル)廃止を巡る論議に耳を傾けると、強欲なブタの鳴き声が聞こえてくるようだ。一般市民に始まり、当の国会議員からも廃止論が声高に叫ばれている。こんな中、大統領府はこれを擁護し、ブニエ報道長官も、「ポークバレルにそれほど問題はない」と発言した。

 同様な物言いはこれまでもあった。「人を殺すのは銃でなく、それを使う人間だ」「悪いのは酒とギャンブルではなく、酔っぱらいやばくち好きだ」。これらは国家による管理責任を放棄した発言である。これがこと麻薬になると、誰もが中毒者の更正や使用者摘発に賛成するのに、不可解なことだ。

 ポークバレルは政治的な麻薬であり、その毒性、常習性はテロリズムに次ぐほど強い。国家には麻薬対策と同様の管理責任が課されるべきだ。どんな効用があろうとも、政治腐敗の元凶、建設業者や政府職員の違法行為の原因であり、選挙民の退廃と利己主義の源泉であるのは間違いない。腐り切って何の効用もなく、財政的正当性もないのだから完全撤廃されて当然である。

 わが国の政治家の極端な強欲ぶり、国レベルでごまかしが横行していることなどをフィリピンで生活する外国人は指摘する。「政治家自身も周囲も、ポークバレルをいつ廃止すべきなのか分かっていない」「汚職の横行する国では通常、一千万ペソの道路工事に一千五百万ペソかかる。しかし比では一千万ペソを投じて、百万ペソ相当の道路が建設される」と言われる。

 公共事業を個人の私物におとしめるポークバレルなどよいわけがない。権力者から利権の源泉を奪う千載一遇の機会だ。(8日・インクワイアラー)

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