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3月1日のまにら新聞から

ハロハロ

[ 443字|2004.3.1|社会 (society)|ハロハロ ]

 大統領候補の支持率世論調査の記事を書いていて、興味深い数字に出くわした。「ABC七%、D六四%、E二八%」。「ABC」は超大金持ちから中間層、「D」は貧困層、「E」は最貧困層、とそれぞれ訳す。割り振られたパーセンテージは、現実社会の構造を考慮してはじき出した数字らしい。

 「七(中間層以上)︱九二(貧困層以下)」。数字は「国民の一割に満たない富裕層が富の九割以上を独占している」と言われるフィリピンの現状を反映しているのだろうが、一割の富で九割の国民のおなかや欲求を満たすことはできない。自然、国の将来を左右する「歌と踊りの選挙戦」より海外出稼ぎだ、となる。

 海外願望はDやEに限ったことではない。わたしが住んでいるC向け住宅地では、売り家が一つ、また一つと増えている。笛を吹かれても踊らないCの人々が、米国やカナダへ次々に移住しているためだ。比国内の家族に仕送りを続ける出稼ぎではなく、一族郎党を引き連れて祖国を去っている。「この国に将来はない」と言いながら。 (酒)

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