援助パソコン盗難
日本援助で公立高校に支給されたパソコンの窃盗被害、ルソン島パンパンガ州で再発
日本政府の無償援助(総額六億ペソ)でフィリピン全国の公立高校に贈られたパソコン類の連続窃盗事件で、二〇〇三年十二月中旬にもルソン島中部パンパンガ州ルバオ町の高校から、援助パソコン本体十九点などが盗まれていたことが二十日、分かった。同町では〇二年三月上旬にも別の高校が被害に遭っていた。今年二月からは援助第二弾(総額五億八千四百万ペソ)としてパソコン・セット(本体やモニターなど)一万一千組が全国の高校に支給される予定で、同様の被害続発が懸念される。
同島では〇二年一月初旬から〇三年十一月下旬にかけて、日本の援助パソコンを狙った事件が七州二十三校で起きた。今回の事件で被害校の総数は二十四校となった。被害は日本の援助品以外にも及び、今年一月には科学技術省が独自に支給したパソコン類が同島ヌエバエシハ州の高校から盗まれた。
いずれも・支給対象校とパソコン教育用教室の位置を事前に特定している・学校が無人になる週末や休日の深夜が狙われている・・など手口が酷似しており、同一グループの犯行とみられている。国家警察は、パソコンの配達・設置を請け負った業者の元関係者が関与しているとみて捜査を続けているが、容疑者特定には至っていない。
国家警察の調べでは、今回の事件は〇三年十二月十三日午前零時から同五時の間に発生した。パンパンガ州ルバオ町にあるサンビセンテ高校(ロデリオ・ラクサマナ校長)のパソコン教育用教室に何者かが侵入、パソコン・セット十九組やプリンター五台、エアコン三台などを持ち去った。ほかの事件と同様、教室のドアに掛かっていた鍵が壊されていた。被害総額は約九十六万ペソ。
一連の事件を捜査している国家警察の担当部署は、今年一月中旬まで、今回の事件発生を認知していなかった。初動捜査を担当したルバオ署から連絡を受けていなかったためで、州境を超えて続発する事件捜査の難しさを露呈した。
日本政府の援助事業は「公立高校のためのパソコン・プロジェクト」で、第一期(〇二年一月・〇三年六月)と第二期(〇四年・〇五年)からなる。第一期では、パソコン・セット二万組が全国の公立高校千校に贈られた。第二期では、一万一千組が高校千百校に支給される。比側の実施主体は貿易産業、教育両省。