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12月1日のまにら新聞から

ハロハロ

[ 506字|2003.12.1|社会 (society)|ハロハロ ]

 この国で重要事件を「解決」するやり方がどうにも解せない。警察の役割は、法の裁きを受けさせるため、容疑者を逮捕することと理解しているのだが、「問答無用」で射殺するケースが多い。容疑者の逮捕で警察官が拳銃を発砲したのが正当な行為だったかどうかが問われる日本とは大違いだ。

 首都圏連続爆弾テロ事件のアルゴジ被告は国家警察の拘置施設から脱走三カ月後の十月十二日、ミンダナオ島で射殺された。続いて十一月八日未明、現政権の汚職を糾弾し、マニラ国際空港の管制塔を占拠した元将校二人は警察の特殊部隊に撃ち殺された。アルゴジ被告の遺体を現地で検分したアロヨ大統領は「大物テロリストを無力化した。彼らが国内で活動できないことを証明した」。管制塔占拠事件では「的確な判断で銃撃が決行された。不当な殺害ではない」

 警察官による裁判抜きの「処刑」を容認する大統領だが、最高裁で確定した死刑囚の刑の執行には、まだ一度も首を縦に振っていない。「神だけが人の死を決める。罰は償わねばならないが、死刑を行うべきではない」とするカトリック司教協議会の意向に沿ってのことらしいが、アロヨさんの思考に矛盾があるように思えてならない。(濱)

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