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12月16日のまにら新聞から

平等精神の侵害

[ 706字|2002.12.16|社会 (society)|新聞論調 ]

前大統領の自宅軟禁

 政府はまもなく、エストラダ前大統領に対しクリスマス期間の自宅軟禁措置を認めるかどうかの判断を下すことになっている。しかし、私はこの措置に反対する。彼への特別扱いは、どの被告人にも同じ権利と義務を与え、公平に扱わなけならないという平等の精神を侵害するからである。

 この計画についてはすでに、デベネシア下院議長やリカルド・ビダル・カトリック司教のほか、新興宗教団体のイグレシア・ニ・クリストやエルシャダイなども支持を表明している。このような情勢を受けて、当初反対を表明していたアロヨ大統領も、考え直しているようだ。彼女の場合は、最近の支持率調査で落ち込みが明らかになったこともあって、この問題に対する多数意見を採り入れて、必要であれば自宅軟禁も承認するつもりであろう。

 しかし、これらの人々が支持したとしても、問題を管轄する公務員特別裁判所とは何の関係もない。前大統領の自宅軟禁申請は、すでに一度、同裁判所が却下している。前大統領の弁護団から再考の申し立てがあったため、再審理しているが、あくまで最高裁での判例など法の精神に基づき判断すべきであって、不当な法律解釈への介入を許すものではないだろう。

 前大統領は、極刑に相当する略奪罪で起訴されているのだから、他の同罪で起訴された被告と同じように扱われなければならない。彼の自宅軟禁を認めれば、国民の間の和解をもたらすとの意見もあるが、それは逆であって、遺恨をあおり、分断を引き起こすだけだ。

 前大統領の自宅軟禁は警備などで税金を浪費させるのに加え、裁判所のダブルスタンダードをさらけ出すことにもなるだろう。(14日・インクワイアラー、イサガニ・クルス氏) 

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