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10月28日のまにら新聞から

責任の所在明確に

[ 696字|2002.10.28|社会 (society)|新聞論調 ]

容疑者の誤認公開

 アロヨ大統領はこのところ、逮捕された容疑者をメディアへ公開する回数を減らしている。しかし、容疑者の身元に関する誤った情報の提供は相変わらず続いている。最新の事例はイスラム過激派、アブサヤフのメンバーの一人を「幹部で五百万ペソの懸賞金が掛けられているアブ・プラである」としたことだ。

 このメンバーはイスラム教徒の居住区として知られるタギッグ町マハリカ・ビレッジで十七日に逮捕されて、大統領が出席した記者会見でメディアに公開された。公開前から、「彼はアブ・プラではないのではないか」と疑う声が出ていたが、国家警察はこれを否定。しかし、目撃者の証言から最終的に誤りであることが判明した。

 この種の大失態は国家警察のみならず、大統領にとっても頭痛の種となっている。批判の声に大統領は防御を強いられ、犯罪撲滅へ向けた政権の決意を強調するために行ってきた公開の回数を減らさざるを得ない状況に追い込まれている。

 最悪の事例となったのは、政府系銀行ランドバンクの汚職疑惑で、告発者の女性行員を誤って容疑者とメディアに公表したことだ。しかも、当の国家捜査局(NBI)は謝罪すらしていない。

 幹部逮捕という誤報について、エブダネ国家警察長官は公式に謝罪した。しかし、国家警察に対する信用は「地に落ちた」といって過言ではない。今や、容疑者が大統領によって公開されるたびに、容疑者の身元は正しいのか、実は身代わりにされているのではないかと国民は不信感を持たざるを得ない。

 このような失態は政府の犯罪撲滅キャンペーンに深刻な影響をもたらす。大統領はきちんと責任の所在を明確ににすべきだ。 (24日・スター)

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