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9月2日のまにら新聞から

解決は市民の行動に

[ 703字|2002.9.2|社会 (society)|新聞論調 ]

違法露天の撤去問題

 道路沿いにある違法露天商の一掃キャンペーンをめぐる首都圏開発局(MMDA)と違法露天商との対立は「秩序と無秩序、法の執行者と法律違反者」との対立でもある。しかし、皮肉にも職務を遂行しようするMMDAのフェルナンド局長を非難して法律違反者を支援する動きもある。

 露天商の権利を擁護し露天撤去に同情する人々は、歩道や道路を利用する大半の人々の権利を忘れている。歩道は歩行者や車両の立ち入りのためにあるもので、市場や駐車場のためではない。露天商や違法駐車のせいで歩行者は危険な車道を歩くことを余儀なくされている。

 誰にも露天商が商品を販売し生計を立てることを制止できない。しかし、市場の中や販売が認められた合法的な場所で商売を行うべきだ。市民すべての義務であるように露天商にも法律を守ることが求められている。露天商は市場の中で物を売りたがらず路上を好む。それは場所代がただという理由だけでなく、市場にある店よりも安く売っている露天の品物を買い求める客が多いためである。露天商は市場の場所代が高いと訴える。だが、実際には腐敗した警官や地元自治体職員に目こぼし料を払った方が安いだけなのだ。

 責任の一端は商品を買う一般大衆にもあるといえる。もし手間を惜しまず市場へ出掛け、路上にある露天商から物を買わなければ、違法な露天はなくなる。露天商は否応なく市場へ向かうからだ。一般市民は単に便利だからと言って露天で買い物をするのではなく、自覚して行動すべきだ。露天商がいなくなれば、すべての人々が恩恵をこうむる。フェルナンド局長は客と露天商双方からの支援と理解を必要としている。(8月28日・インクワイアラー)

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